一夜限りのアートの饗宴

 15, 2017 19:31
六本木の街を舞台にした、一夜限りのアートの饗宴「六本木アートナイト」が、今年も9月30日から10月1日にかけて開催されました。2009年にスタートし、今年で8回目を数えるこの祭典は、六本木地区の主な文化施設や公共スペースで開かれます。


まずは国立新美術館へ。フィリピンを拠点に活動するアーティスト集団「ネオ・アンゴノ・アーティスト・コレクティブ」の代表作である巨人彫刻「ヒガンデス」が迎えてくれます。


前庭は風ぐるまの花畑が満開でした。メインプログラムの蜷川実花「Tokyo Followers 1」。時おり風が吹いて風ぐるまが回りだすと、周りから歓喜の声が上がります。


国立新美術館から東京ミッドタウンへ移動します。これも蜷川実花「Tokyo Followers 1」。


鮮烈な色彩の蜷川実花ワールドが広がります。


今年、開業10周年を迎える東京ミッドタウンを記念して、芝生広場には「アーク・ノヴァ(ARK NOVA)」と呼ばれる移動式コンサートホールが堂々と構えています。


ラテン語で「新しい方舟」を意味する「アーク・ノヴァ」は、スイスの音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」が東日本大震災の復興支援のために企画し、建築家の磯崎新と英国人彫刻家のアニッシュ・カブーアによって制作された移動式コンサートホール。


厚さ1mm未満のPVCコーティングポリエステル繊維で出来た巨大な風船は、約2時間の送風でドームとして立ち上がります。その独特な構造と形状は照明されると更に強調され、まるで艶かしい有機体のようにも目に映ります。


六本木交差点の時計塔は、山本洋子(バルーンランド)によって鮮やかに彩られ、


ラピロス六本木の前では、都市と人間性をテーマに描き続けてきたアーティスト・石井七歩による参加型ライブ・ペインティングが行われていました。


東京ミッドタウンから次は六本木ヒルズへ。ノースタワー前の「国立奥多摩美術館 24時間人間時計~アジア編」。人が時計の針となる 24時間人間時計が行われていました。






大屋根プラザで行われたサントリーウイスキー「響」ART OF BLENDING。貯蔵庫に眠る数十万樽にも及ぶ原酒の中から厳選してブレンドされたグラスが整然と並びます。






そして、いよいよクライマックス。


特設ステージで行われていたのは、街頭音楽チンドン楽団・ジンタらムータのファイルライブでした。高速で変拍子のリズムは、エキサイティングでありながらどこか懐かしい。


観客達はその熱の籠った演奏に引き込まれていきます。




こぐれみわぞう氏は、1997年からチンドン太鼓を演奏しているベテランアーティスト。ジャンルを問わない陽気でダンサブルな演奏に、会場内で大喝采を浴びていました。今回のアートナイトのフィナーレを飾るに相応しいものでした。ふぅ、楽しかった…。来年もまた来ようっと。


帰り道。国立新美術館の前を通ってみると、風車たちはネオンによって彩られていました。

現代の地下神殿を訪ねて

 21, 2017 23:25
9月に入り、つい先日までの猛暑が信じられないくらい爽やかな天気が続いています。絶好のドライブ日和という事で、栃木方面へと車を走らせました。


向かった先は大谷石のふるさと、宇都宮市大谷町。大谷の奇岩群は、田園地帯の中に奇岩が屹立した独特の景勝から「陸の松島」とも呼ばれます。
 

大谷石は柔らかく加工がしやすい事もあって、古くから建築資材として重宝されています。因みにフランク・ロイド・ライトの設計による帝国ホテルの玄関にも使用されました。この大谷石が、大谷町の東西8km、南北37kmに渡って地下200~300mまで埋蔵されているそうで、至るところで巨大な採掘跡が見られます。




車を停めてしばらく歩くと目的の大谷資料館はありました。
 

入場券を買って坑内へと続く階段を降りて行きます。人が数人すれ違うのがやっとというくらい狭い階段を降りて行くと…、
 

突如そこに巨大な地下空間が広がります。どこまでも続くようにも思われる空間は、まさに現実世界のダンジョン(迷宮)そのもの。想像以上のスケール感は圧倒的なものでした。
  

直線的に切り取られた跡は地下神殿のようにも映ります。映画「インディジョーンズ」のシーンが心の中で蘇りました。


ところどころにライトアップが施されており、未知の美術館に迷い込んだかのよう。


それにしても外は30度近い暑さだというのに、この中は摂氏13度。寒い…。半袖で来た事を今更ながら後悔してしまった。










いくら見ていても飽きない空間でしたが、次の場所へ移動する事にしました。資料館の隣りはロックサイドマーケット。大谷石を使ったグッズを始め、選び抜かれた「とちぎブランド」が並びます。






観光地の土産物屋というより、どこかの街の中のお洒落なショップという感じ。こんな心地良い場所があるとは意外な発見でした。


併設するカフェには、いかにも美味しそうなスイーツが並んでいます。


それにしても、ショップの前には観光客が沢山居るのに、カフェのフリースペースには誰も居ない。やっぱり皆んなは賑やかな場所のほうが落ち着くのかな…。




そろそろ資料館を後にして町を散策する事にします。あちこちで大谷石で出来た大小さまざまな建物が見られますが、その風景はどことなくお洒落。




大谷公園へ。天狗が石を投げて乗せたという「天狗の投げ石」は、崖の上に絶妙なバランスで岩が乗っています。延々と敷き詰められた石畳みもやはり大谷石。


更にその先へ進むと平和観音がありました。
 

ここも元々は採石場でした。高さ27mの観音像は、戦没者の慰霊と世界平和を祈念して、昭和23年から6年の歳月をかけて手彫りで造られたそう。




展望台へ登ると辺りが一望出来ました。夕陽は、観音様の胸元に静かに沈んでいきます。


大谷町を気ままに散策した後は、日光へと更に車を走らせました。あわよくば40年ぶりに行われた「平成の大修理」を終えた陽明門が見られるかと思ったのですが、到着した時は既に真っ暗。またの機会に再度訪れる事にして、今回はそろそろ帰途に就く事にしました。
 

青山・アート散策

 04, 2017 14:25
渋谷は現在、東急による大規模な再開発中で、駅周辺は巨大な工事現場と化しています。駅を一歩外へ出ると仮通路が迷路のように入り組んでおり、自分の進むべき方向が分からなくなってしまいます。




渋谷の街はこれからどう変貌していくのだろう。


雑然とした渋谷を抜けて表参道方面へ。青山通りから一本裏道に入ると、閑静な街並みが迎えてくれます。青山のアートを散策してみることにしました。




エスパス ルイ・ヴィトン東京。芸術の媒体として光を使う手法を探求することに生涯を捧げたダン・フレヴィン展では、


蛍光灯を使った作品が印象的でした。大きな窓に映る風景と相まって、どこか神秘的。








表参道ヒルズの吹き抜けには巨大なベアブリックが吊り下げられ、


スペースオーではファッションデザイナー 舘鼻則孝のリ・シンク展が開催されていました。


レディーガガ特注モデルのヒールレス・シューズだという。単なるオブジェだと思ってたけど実際に履けるんだ…。








表参道ヒルズから青山通りへ戻り、


スパイラルホールへ。ここではいつもユニークな展覧会が楽しめます。




居心地が良さそうな併設のカフェ。


暫しアートを楽しんだ後は、建物がアーティスティックな紀伊國屋のテラスに上がってみることにしました。


テラスからは原宿方向の眺望が広がります。そよ風と、穏やかに沈んでいく夕陽がとても心地良かった。夏は駆け足でやって来て、駆け足で去って行きました。
街中のいたるところから見える水戸タワー。その独特の形状は否が応でも目立ちます。


美術館、コンサートホール、劇場の現代美術の文化施設をもつ水戸芸術館の中の一角に、水戸タワーはありました。


因みに水戸芸術館の初代館長は音楽評論家である吉田秀和で、二代目館長は指揮者の小澤征爾だそう。






間近で見ると正三角形が空に向かって連なっているのがよく分かります。水戸市制100周年を記念して高さは100mで、外装はチタン製。ただのモニュメント的なものだとばかり思ってたのだけど、展望台があり実際に上がれるという事だったのでさっそく入ってみました。


入場券を買ってエレベーターへ。四方は全面ガラスになっており、内部の構造がよく分かります。


想像通り、展望台というか内部の広さはミニマム。柱や壁は斜めになっており、平衡感覚がおかしくなりそう。




狭いながらも壁面に空いた無数の丸窓からは、360度の景色を見渡せます。




空気の澄んだ日には遠く富士山まで望めるそうですが、さすがにこの日は無理でした。




美術館は閉館中だったので、このあと芸術館通りを弘道館へ向かってみました。


水戸東武館と、




その隣りに立つ水戸市水道低区配水塔。


水戸市街の低い地域へ水道水を供給するために昭和7年(1932年)に建てられたこの配水塔は、円形にバルコニーがせり出し、窓にはレリーフが施されたモダンなもの。登録有形文化財に指定されています。


向かい側。昭和5年(1930年)に建てられた旧茨城県庁は、復元工事を終えて現在「茨城県三の丸庁舎」になっています。








日が暮れ始めてきたところで偕楽園のほうへ戻りました。偕楽園臨時駅は、梅の時期だけ開く臨時駅。


偕楽園臨時駅の真正面にある常磐神社は、水戸黄門(水戸光圀)が祀られています。


市内の巡行を終えた神輿が、ちょうど戻ってきたところでした。




境内は厳かな雰囲気に包まれます。


気の赴くまま水戸市街を散策してみたのですが、流石に脚が疲れてきた…。まだ他にも見たい場所があったのですが、次の機会にまわしててそろそろ帰途に着く事にしました。仙波湖へ沈んでゆく夕陽はとても美しかった。


8月始めの週末は、台風が近付いてるとの事でしたが、時おり晴れ間も見えてまずまずの天気になりました。ふと思い立って水戸へ行ってみる事に。前回来たのは何年前の事だろう。記憶に残ってるのは偕楽園からの帰りに「のし梅」を買った事くらいでした。


先ずは千波湖へ向かいます。因みに千波湖入口交差点から向こう側に見える奇妙な形の塔は「水戸タワー」で、今回もっとも興味があった建物ですが、先に偕楽園周辺を散策してから行ってみる事にしました。


デゴイチ駐車場に車を停めると、湖は目の前。




黄門様の前に湖が広がります。




湖上では噴水が勢いよく水を上げていました。それにしても水鳥たちはよほど人間に慣れているのか、近寄っても全く逃げる様子がない。誰かが餌をあげているのかな。




千波湖公園から偕楽園へ。偕楽園は金沢の兼六園、岡山の後楽園と並んで日本の三大名園として知られていますが、都市公園としてはニューヨークのセントラルパークに次いで世界で二番目の面積を持つのだそう。


さすがに全てを回れないので、好文亭のほうへ歩いてみる事にしました。


樹々や芝生がとても綺麗に手入れされていて気持ちがいい。

好文亭。梅には「好文木」の異名があり、それに由来して好文亭と名付けられたのだそう。




二階三層の好文亭と北側の奥座敷からなっており、それらを総称して好文亭と読んでいるとの事でした。




二階に上がると窓からは、眼前に偕楽園や千波湖が広がります。



千波湖と偕楽園を散策したあとは車に戻り、中心街へと向かいます。フィアットの巨大なガラスショーケースの向こう側が県庁。


先ほどまでの静寂な雰囲気から一転して、市街のメインストリートは全て通行止めになっており、多くの人達で賑わっていました。


それもそのはず、今回で57回目を数える水戸黄門祭りの、今日は最終日。


市内のあちこちで様々なイベントが開催されていましたが、やはり一番迫力があったのは山車の巡行でした。


山車たちの向かったいく方向へ足を進めると、それに連れて熱気もだんだん上がっていきます。山車は笛や太鼓を元気よく打ち鳴らしながら中心へと進んでいきます。


そしてクライマックス。一同に集まった山車たちは、力の入った笛や太鼓と踊りで競い合います。






これだけ間近で祭りを見たのは随分久しぶりの事でした。凄い熱気と迫力のなか熱狂の渦に完全飲み込まれ、炎天下だというのに鳥肌が立った。


 
気迫に圧倒されそう。




人混みに揉まれながら我を忘れて見ていたら、あっと言う間に時間が経ってしまいました。本当に凄かった…。機会があればまた来年も来たい。祭りはまだまだ続くようですが、そろそろ次の目的地である水戸タワーへ向かう事にしました。


 

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