新宿の東口と西口とを繋ぐ重要な道路である新宿跨線橋(国道20号)は、大正14年に架設された古いものでした。その為老朽化や混雑緩和などを目的に、平成11年から架け替え工事が進んでいましたが、17年もの歳月をかけてようやく昨年完成しました。新しくなった新宿跨線橋(中央)と、左手が新宿駅南口、右手が昨年の春にオープンしたバスタ新宿。



バスタ新宿は、1階部分にJR線が走る人工地盤上に、2階は歩行者エリアと駅施設、3階はタクシー乗降場、4階は高速バス乗車場という立体道路の構造であり、3階と4階部分は国道20号の一部という事になっています。それにしてもJR線や車の通行を全く遮断せずに、これだけの施設を完成させた日本の建築技術は、正に驚くべきものです。


横に聳え立つのは地上32階建てのJR新宿ミライナタワー。1~4階は商業施設、5階~32階はオフィスフロアになっています。何よりも驚くのは、このビルディングが線路の上の人工地盤に建っているという事。




2階のペンギン広場。脚の下を絶え間なくJR線が潜り向けて行きます。






4階バス乗降場には全国に向かう高速バスがひっきりなしに入ってきます。


7階の屋上庭園と、


そこから見える新宿高島屋タイムズスクエアとNTTドコモ代々木ビル。新宿駅周辺の景色もどんどんと変わってゆきます。


この後都庁へ向かって歩きます。東京都庁が丸の内から現在の西新宿に移転したのは今から26年前の1991年の事でした。私が初めて新宿の高層ビル群を目にした時、その余りの巨大さに暫し言葉を失ったものです。以来、超高層ビルは各地にどんどんと増えていきますが、今でもこの風景を見ると人間の英知の凄さをつくづく感じます。





東京都庁舎は、第一本庁舎(上)、第二本庁舎(右手)と、都議会議事堂(左手)の三棟からなり、設計は全て旧東京都庁舎と同じく丹下健三によるもの。


普段、都庁には全く用のない私ですが、たまに行く時と言えば展望台に上がる位です。日曜や祭日などは展望台行きのエレベーターにはいつも長蛇の列が出来ているのですが、この日は平日の昼間と言う事もあって、殆ど待たずに入る事が出来ました。因みに展望台は第一本庁舎の北と南の2ヶ所があり、この日に上がったのは南展望台でした。


分速240mの専用エレベーターは、1階から45階までを55秒で一気に駆け上がります。
地上202mからの眺め。都内をほぼ360度見渡す事が出来ます。左手は新宿御苑、中央には新宿パークタワー、右手には東京オペラシティが。
 

最近『視程』という気象予報用語が気になります。水平にどれだけの距離を見渡せるかをkmで表したもので、スマホの毎日の天気予報で調べる事が出来ます。空気の澄み渡った日だと都内でも50kmはあるのですが、最近は平均15km前後、雨の日だと5km以下とめっきり短くなってしまいました。流石にこの日も富士山の姿を全く拝むことは出来なかった。曇り空の景色というのも、また趣きがあってなかなかいいものですが…。


帰りは思い出横丁にちょっと寄り道。ここには今でも昭和の良き風情が残ります。





赤坂にある草月会館の前を通り過ぎようとした時、全面ガラス張りのビルは外も中も眩いばかりに輝いていました。前を覗いてみると、第四代家元である勅使河原茜の個展の、今日が最終日との事。いけばなには全く縁のない私ですが、非常に心惹かれたので思い切って入ってみる事にしました。




草月会館は丹下健三の設計によるとても印象的なビルですが、その一階の草月プラザにはイサム・ノグチ作の石庭『天国』が全体に広がります。近代的な建物の中の近代的な石庭は、正に鏡の城のような感じでした。




今回の個展は草月創流90周年を記念して6年ぶりのものだそうで、『HANA SO』と題されています。私はいけばなと言うと古風なものを想像していましたが、そのひとつひとつがとても斬新で、アートそのものでした。

花器も自作のもので、「草月五十則」の中には『花を、器を、場所を、探す努力』とあり、花器以外の器を花器として見出だし、また自ら器をつくって新たな発見をしよう、と謳っているそうです。




草月流では初代家元の時代から竹を用いた作品を数多く制作しているそうで、エントランスにも会場内にも多彩な表現の竹作品が展示されていました。








第2会場は、勅使河原茜と現代アートのコラボレーション。現代美術の小山登美夫ギャラリー所属のアーティスト作品と、その作品からインスピレーションを受けて生まれたいけばなが並びます。








第3会場も、第2会場にひきつづき勅使河原茜と現代アートのコラボレーション。窓の外にはカナダ大使館と満開の桜も望めます。






描かれた絵がとても印象的な花器はピカソの作でした。

魅力溢れる作品を見ている間は溜め息の連続で時間はあっという間に過ぎてしまい、そろそろ会場を後にして次に向かう事にしました。

日が暮れてからの草月プラザ。建物全体がひとつのアート作品のようでした。

千代田区の桜と芸術たち

 11, 2017 00:48
関東地方は桜の見頃を迎えました。最近は抜けるような青空というのを殆ど見る事は出来ないのですが、取り敢えずは皇居から千鳥ヶ淵の方へ歩いてみる事に。


一時的に晴れ間も見えましたが、その後はまた厚い雲に覆われる事になります。


大手町から気象庁前を通り、九段下方面へ進みます。


平日だと言うのに竹橋から千鳥ヶ淵へと続く道路は大渋滞です。車で来なくて良かった…。


東京国立近代美術館工芸館は旧近衛師団司令部庁舎を保存したもので、国指定有形文化財になっいてる建物はとても趣きがあり、私の好きな美術館のひとつです。所蔵作品展の『動物集合』が開催されていました。






因みに入館料は大人210円で、JAF会員である私は170円で入れました。この値段だと、何回でも気兼ねなく入れます。










大塚茂吉『猫』


高浜かの子『夢の中に遊ぶ』




チュスワフ・ズベル『野獣』


ルネ・ラリックのブローチ二点と、


バーナード・リーチ『蛸図大皿』




個性溢れる動物たちを見ているうちに時間はあっという間に経ち、閉館のアナウンスに急かされます。工芸館を後にしてさくらまつりへと向かいました。


千鳥ヶ淵砲台跡を見ながら、


千鳥ヶ淵さんぽみちを進みます。


休日に溢れんばかりの見物客ですが、この日は平日という事もあってかそれ程の混雑でもありませんでした。本来ならライトアップが始まる時間まで待ちたかったのですが、今にも泣き出しそうな空だったので早々に引き揚げる事にしました。






横浜の花のお祭り

 07, 2017 23:31
いま、横浜の街は花で溢れています。1983年に始まった全国都市緑化フェアですが、33回目を数える今回は6月4日まで横浜市で開催されています。『ガーデンネックレス横浜2017』が今回の愛称。




関内から山下公園へ。因みにメイン会場は、みなとガーデンと里山ガーデンの2ヶ所に分かれており、更にみなとガーデンだけでも会場が7ヶ所あります。横浜公園内のベイスターズガーデン。野球選手を形作ったトピアリーが噴水を囲んでいます。


日本大通りフラワーフェスタは、色鮮やかな花壇が続きます。




神奈川県庁を過ぎると海岸通りです。


今から28年前の1989年(平成元年)には横浜博覧会が開催されました。私は何度か行った記憶が残っているのですが、当時は「みなとみらい」としてまだ整備されておらず、赤レンガ倉庫はまさに廃墟の状態でした。山下公園から赤レンガ倉庫を抜けて日本丸の方まで貨物線の廃線を利用したレトロ電車が走っていましたが、その車窓から見る風景は、今のような鮮やかなイルミネーションがある訳でもなく真っ暗闇でした。

現在の山下臨港線プロムナードからの風景と、


28年前の臨港線とレトロ電車。


さらに歩きます。山下公園のサクラコンテナは、芝生の緑と色鮮やかな花々のコントラストが美しい。






陽が暮れるに従ってイルミネーションも点き始めました。昼間とはまた違った景色が楽しめます。








半日ではさすがに全てを見る事が出来ず、そろそろ帰途につく事にしました。






途中、芝公園にて。この日の東京タワーはアクア・ブルーにライトアップされていました。

技とカボチャと富士山と

 03, 2017 01:43
表参道ヒルズでは3月9日から19日まで『エルメスの手しごと』展が開催されていました。2011年から世界の各都市で開催され、今回が日本で初の開催という事で、一流職人たちの伝統の技をこの目で見ようと思い出かけたのですが、最終日とあって会場には長蛇の列。結局1時間近く並んでようやく入場する事が出来ました。




皮革職人、陶器職人、シルクスクリーンプリント職人や時計職人を始め10種のコーナーが並びます。それぞれのコーナーにはフランスから来日した職人たちがデモンストレーションを行ない説明や質問にも答えてくれ、希望者は実際に体験する事も出来ます。

手袋を作る職人は、今回が初の来日となるそう。


磁器絵付職人は日本人の女性で、絵の具の混ぜ合わせる難しさなどを細かく説明してくれました。


奇抜なデザインと鮮やかなカラーが美しいエルメスのカレ(スカーフ)は、1枚1枚手作業のシルクスクリーンで作られています。




エメラルドやダイヤモンドなどの宝石を固定する石留め職人。固定に接着剤などを使用すると宝石の本来の輝きが損なわれてしまう為、ゴールドのグレイン(爪)だけでセッティングします。とても緻密な作業なので顕微鏡で確認しながら行います。


時計職人のコーナー。




馬具の工房として始まったエルメスの歴史は1837年にまで遡ります。普段は滅多に見られないクラフツマンシップの世界を堪能してから表参道を後にし、六本木へと向かいました。



国立新美術館では草間彌生展が開催されており、館外でも作品が見られます。水玉模様と、巨大なカボチャ。


   



この後もう少し先まで足を伸ばします。ミッドタウンに突如現れた富士山。プロジェクションマッピングの開始時間の18時まで暫く待つ事にしました。


東京ミッドタウン10周年記念したイベント『江戸富士(EDO-FUJI)』は富士山の誕生から四季折々の風景をイメージしたマッピングで、想像以上に楽しいものでした。






そろそろ帰ろうかと思い青山方面へ歩いていると六本木メルセデス・ベンツ コネクションにはいつの間にかドームが出来ていました。案内の人に誘われるままに中へ入ってみると、






そこは夏を思わせるトロピカルムードに溢れていました。メルセデス・ベンツとポーラのコラボレーションイベントだそう。


興味が惹かれてしまうと意識とは裏腹に足がついそちらの方へ向いてしまいます。殆ど人けも無くなった暗い中を、もと来た道を戻りました。ふぅ…、今日もよく歩きました。

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