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伝統と革新・新旧を代表する英国車たち

 27, 2019 00:11
アレック・イシゴニス率いるBMC(ブリティッシュ モーター コーポレーション)の開発チームによって、初代MINIが誕生したのは1959年のこと。以来40年以上に渡って生産され続けた後、2001年にはBWMに引き継がれNEW MINIへとなり、今年で誕生60周年を迎えました。その誕生60周年を記念するイベント第2弾が、六本木・東京ミッドタウンで7月20日と21日の両日開催されました。


MINI 60 Years Edition。鮮やかなブリティッシュ・レーシング・グリーンにフラットブラックのストライプ、ペッパーホワイトのルーフが英国車らしいインパクトを与えます。


傍らでは美しくレストアされたオリジナル・ミニが愛嬌を振りまいていました。その背後のパーティションには、アレック・イシゴニスが彼のスケッチブックの中に描いたミニのイメージスケッチ。


白いボディをキャンバスに3人のアーティストが彩っていく、MINI ART BATONプロジェクトがクライマックスを迎えていました。




因みに使われている塗料は、1SHOT(ワンショット)というMADE IN USAのピンストライプ用のエナメル系ペイントで、専門家の間では定評があるのだそう。


ただでさえ可愛いMINIが、3人のアーティストによって、さらにキュートなアートMINIへと仕上げられていきます。


左はスウェーデン出身のLetterboy (Peter)氏、中央がこのプロジェクトのスタート役となったボブファンデーションの朝倉洋美さん、右はアートディレクターでありイラストレーターでもあるジェリー鵜飼氏のスリーショット。和やかな雰囲気の中、作業は着々と進んでいきました。


アトリウムへ移動すると、90年代にポール・スミスとコラボレーションしてワンオフで作られたマルチストライプMINIもディスプレイされていました。この車とは上野の森美術館で開催された、ポール・スミス展以来3年ぶりの再会になりました。




この後ミッドタウンを離れ、アストンマーティン青山ハウスへと向かいました。ミニが英国を代表する大衆車であるのに対し、アストンマーティンは紛うこと無き英国を代表する高級スポーツカー。設立は1913年と、100年以上の歴史を持ちます。


モダンな階段を上がると、1965年にデビューしたDB6が優雅な姿で佇んでいました。


前モデルであるDB5との相違点は、バンパーがセパレートになったほか、後部のデザインが大きく異なります。因みにモデル名にもなっている「DB」はデイヴィッド・ブラウンの頭文字で、この後経営から外れたために20数年に渡って名前を消すことになります。




フロントフェンダーに設けられた横長のエアアウトレットは、現代まで受け継がれるアストンの伝統。その下には、いかにも控えめに添えられた〝DB6〟のエンブレムが。


このリアデザインがDB6の最大の特徴。


ロングノーズから緩やかなルーフラインへと続き、その後コーダ トロンカと呼ばれるスパッと切り落とされたテールエンドで収束します。奇をてらうことのない伸びやかなフォルムは息を飲むほど美しい。


脇に並べられたヴァンテージGT3。半世紀の歳月は、テクノロジーをかくも進化させます。




4.0リッター・ツインターボチャージドV8の心臓を持つ最新型ヴァンテージ。




帰ろうと思い、青山ハウスを出るとスターバックスの横にはDB2の姿が。実車を見るのはおそらくこれが初めて。まさに英国車に浸った一日でした。

南青山の路地裏の旗艦店たち

 22, 2018 20:37
正月気分も抜けた1月も半ばの週末、いつものように青山散策に行ってきました。澄み渡った青空が街の風景によく映えます。




まずは昨年の12月にオープンしたハウス オブ ロータス 青山店へ。クリエイティブディレクターを務める桐島かれんが手がけるライフクラフトブランド、ハウス オブ ロータスの旗艦店です。


古い洋館をリノベーションした建物は、1階と2階がショップになっており、白を基調とした明るいイメージで、庭もありとても解放的。




ハウス オブ ロータスから歩くこと10分足らず、路地を少し入った目立たない場所にニコライバーグマン フラワーズ&デザイン フラッグシップストアがあります。


ニコライ・バーグマンは、デンマーク出身のフラワーデザイナー。ヨーロッパのフラワーデザインスタイルに北欧スタイルのセンスと和の感性を融合した独自のスタイルを確立しました。




プリザーブドアレンジメントと言うのだそうだけど、鮮やか花々が溢れていてとてもゴージャス。


青山の表通りから少し入るとそこは閑静な住宅街。都会の真ん中とは思えないくらい静かです。


Kartell(カルテル)は、イタリアのインテリアブランド。カルテル トーキョーは昨年10月にオープンした旗艦店で、地下1階から地上2階の3フロアには、洗練されたデザインと色鮮やかな製品が所狭しと並んでいます。


ミラノの洗練されたデザインと、素材には主にポリカーボネートやアクリルと言ったプラスチックが使われているのが特徴です。






散策をしているとあっという間に時が過ぎていきます。表参道に戻る頃には完全に日も落ちていました。


ザ ストリングス 表参道。散策は楽しい。


青山・アート散策

 04, 2017 14:25
渋谷は現在、東急による大規模な再開発中で、駅周辺は巨大な工事現場と化しています。駅を一歩外へ出ると仮通路が迷路のように入り組んでおり、自分の進むべき方向が分からなくなってしまいます。




渋谷の街はこれからどう変貌していくのだろう。


雑然とした渋谷を抜けて表参道方面へ。青山通りから一本裏道に入ると、閑静な街並みが迎えてくれます。青山のアートを散策してみることにしました。




エスパス ルイ・ヴィトン東京。芸術の媒体として光を使う手法を探求することに生涯を捧げたダン・フレヴィン展では、


蛍光灯を使った作品が印象的でした。大きな窓に映る風景と相まって、どこか神秘的。








表参道ヒルズの吹き抜けには巨大なベアブリックが吊り下げられ、


スペースオーではファッションデザイナー 舘鼻則孝のリ・シンク展が開催されていました。


レディーガガ特注モデルのヒールレス・シューズだという。単なるオブジェだと思ってたけど実際に履けるんだ…。








表参道ヒルズから青山通りへ戻り、


スパイラルホールへ。ここではいつもユニークな展覧会が楽しめます。




居心地が良さそうな併設のカフェ。


暫しアートを楽しんだ後は、建物がアーティスティックな紀伊國屋のテラスに上がってみることにしました。


テラスからは原宿方向の眺望が広がります。そよ風と、穏やかに沈んでいく夕陽がとても心地良かった。夏は駆け足でやって来て、駆け足で去って行きました。
今年で建国150周年を迎えたカナダ連邦。7月1日は建国記念日たったそうで、普段何気なく前を通り過ぎるだけのカナダ大使館でしたが、ちょっと見学してみたくなりました。


受付を済ませて中へ。4階まで伸びる直行エスカレーターを登り切ると「カナダ・ガーデン」というテラスがあり、カナダ人アーティストによる作品が配されていました。


最初に迎えてくれるのはテッド・ピーラー作の「砕ける波」で、カナダ・ガーデンの旅の始まりを告げます。遠方にはビルの間に挟まれた東京タワーも望めます。


広々としたテラスと、上層の屋根の間から差し込む陽射しがとても柔らかい。




カナンギナック・プーテウグックの作品「イヌクシュック」は、イヌイット語で、"人間の化身"の意味だそう。


メリオン・カンタロフ作のブロンズ彫刻「ウェーブ」は、太平洋を象徴する水辺に浮かびます。


その先には枯山水式の日本庭園が広がります。


そして館内へ。




地下2階にあるE・H・ノーマン図書館は、アジアで最大のカナダ研究ライブラリーだそう。


ウオレン・カーサー作「壁面ガラス彫刻」。


テラスも館内もひっそりとしており(というか誰も居ない)、ゆっくりと時間を過ごす事が出来ました。機会があったらまた行ってみたい。


この日はもうひとつ目的があったので、赤坂を後にし青山方面へと歩きました。いつも歩く道だけど、少し遠回りしてみると色々な風景を楽しむ事が出来ます。






青山に着いたものの、目的地の住所まで行ってもそれらしき建物が見つからない。コスチュームナショナルというブティックと現代アートの発信拠点だそうでしたが、仕方なく電話してみたら受付の方が迎えに来てくださいました。草が鬱蒼と生い茂った建物は、とても青山の真ん中に居るは思えません。




ここでは7月末までイタリアの名門カロッツェリアのZAGATO(ザガート)がMVアグスタをデザインした世界にただ一台の『F4Z』を中心に、MVアグスタの貴重なバイク達が展示されていました。


ただ一人の日本人実業家の為に一台のみ作られた『F4Z』。今後も製作される予定がなく、4輪でのカロッツェリアとして有名なザガートですが、2輪の製作はこれが初めて。




私は若い頃からオートバイに強く惹かれます。それもハーレーのような大陸的で大らかなものでは無く、ドゥカティやMVアグスタと言った「走る」という機能を極限まで追求したイタリアン・スーパーバイクです。無駄を一切排した機能美と、イタリアのデザインセンスの融合は、単なる工業製品というより真に美しい。






一台一台が正にアートで、この上なく美しいのですが、うっかり手を出すとぜったい怪我をする。まるで危険な宝石のよう。私はオートバイを降りて久しいのですが、今でも堪らなく乗りたい衝動に駆られる事があります。


眺めているだけでしたが至福の時間を過ごした後は、日比谷から銀座方面へ少し寄り道する事にしました。








日動画廊ではアンディ・ウォーホル展が開催されていました。


アンディ・ウォーホルの作品に初めて出会ったのは私はまだ学生の時でした。マリリンモンローの作品と共に有名だったキャンベルスープ缶は、なぜ題材にそれを選んだかのを疑問に思っていましたが、これがポップアートの始まりだと知ったのはずいぶん後になってからの事でした。




懐かしさと共に画廊を出た時には完全に陽が暮れていました。この日は折しも満月。下方から顔を覗かせた月は、上に登るに連れオレンジ色から次第に白く変化していきました。銀座の街は、まだまだ眠らない。

世界に誇る紙の建築家と六本木の花火

 23, 2017 00:15
今月の16日まで乃木坂のTOTOギャラリー・間では「坂 茂 : プロジェクツ・イン・プログレス」が開催されていました。建築家・坂 茂(ばん しげる)氏は、日本は元より世界中の建築の設計に携わる傍ら、何処かで災害があったと聞いては世界中の被災地まで駆けつけて救済活動を続けてらっしゃいます。紙の管(紙管)を使った仮設住宅を提案し、2014年には建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞しました。因みに私が今まで何度か訪れた銀座のニコラス・G・ハイエックセンターも、同氏の設計である事を後から知りました。


今回は18年ぶり2度目の展覧会となるそうで、世界各地で現在進行中のプロジェクトが模型と共に展示されていました。


これはパリ近郊、セーヌ川の中洲(セガン島)オープンする「ラ・セーヌ・ミュジカル」。あたかもセーヌ川に浮かぶ巨大な船をイメージさせる複合音楽施設です。




静岡県富士宮市に今月竣工予定の富士山世界遺産センター。屋根から逆さ富士が吊るされており、下部の水面に写ります。機会があれば是非とも訪れてみたい。
 



現在建築中のスイス時計会社の本社。材木の加工の模様もビデオで紹介されていました。坂氏によるとスイスの木材加工技術は素晴らしく、日本の技術は数段遅れているのだそう。日本は終戦後、鉄筋とコンクリートの建築に集中し、木造建築の技術はそれ以来殆ど進歩してないとの事でした。そう言われれば日本の都市はどこもコンクリートジャングルと化してしまいました。


紙管を組み上げたモデルが窓の外に広がっています。「紙」と聞くと、燃えやすい・水に弱い・耐久性に問題がある等と想像してしまいますが、坂氏によると工業製品である紙は全く問題が無いのだそう。
  







私が訪れたのは最終日だったのですが、なんと坂 茂氏ご本人が来場されていたのは驚きでした。現在進行中の一つ一つのプロジェクトについて説明されていたのですが、さすが説得力があります。




今回の訪問は非常に短い時間でしたが、お話しを聞いていくうちに、建築家という枠を超えて人間「坂 茂」氏としての魅力と偉大さの一端を窺い知れたような気がします。帰り際に撮影の許可と共に直筆サインを頂けたのは嬉しい驚きでした。


この後ギャラリーを後にして、東京ミッドタウンへ。


芝生広場では一足早く花火が上がっていました。






いよいよ本格的な夏の始まりです。

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